G4のファンを交換する!(電源選択編)


●中身の確認

さて、早速電源をバラして様子を確認しましょう。
その前にお約束。

※Caution(警告)※
電源の改造・修理は危険が伴います。
必ず安全対策をした上で自己責任で行ってください。
もしなんらかの事故が起きたとしても当方は一切関知しません。
もし自信が無い場合は中を開けたりせず、そのまま電源ごと交換してください。

まぁ、改造と言ってもいじるのは高圧部分ではありませんが。
とりあえず電源をバラしてみます。

・・・

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「うわっ、汚ねー、ゴフゴフッ」

(fig1)
↑電源内部

外側はともかく内側は買ってから5年強、全く掃除してなかったのでこの有り様です。開けるときむせました。
この状態だとファンだけ換えたところで、燃えるのは時間の問題な気がしますし、掃除も面倒なので新しいのを買ってくることにします。(まぁ結局は掃除するのですが・・・)

●電源の容量

Sawtoothの電源はATXと形状やピンアサインはほぼ同じですが、各電圧の出力が少し特殊です。
一般のATXの電源は、マザー上のレギュレータで12Vから3.3Vを生成しているため、12Vが大きめの設定になっていますが、Sawtoothは3.3Vを電源から供給しているようなので、(同出力のATXの電源に比べて)12Vが小さい替わりに3.3Vが非常に大きくなっています

(fig2)
Sawtoothの電源(237W)
+12V
+5V
+3.3V
-12V
-5V
+5Vsb
8A
20A
24A
0.25A
2.25A
自作1号機の粗悪電源(300W)
+12V
+5V
+3.3A
-12V
-5V
+5Vsb
12A
20A
15A
1A
0.5A
1.5A

(fig2)を見ていただければわかりますが、総出力の差を考えたとしてもSawtoothの3.3Vの大きさは特筆すべき点です。
まぁ、必ず元と同じだけ必要かと言えば甚だ疑問ですが、ちゃんと動作させる必要がある、もしくはCPUを換装している場合は、すべての電圧の出力がSawtoothと同程度か、あるいはそれ以上の電源を買ってくる必要があります。ちなみに元の電源と同等の出力を得ようとした場合、大体400〜450Wぐらいの電源を搭載することになります。

余談ですが、Western DigitalのRaptor6台積みとか、余程強烈なビデオカードを積まない限り、電源の載せ換えは不要だと思います。私のマシンはHDをフル搭載してCPUも1.8GHzのものに載せ換えていますが、特に不安定になったことはありません。
まぁ2.0GHzDualでHDの型番がすべて同じとか、限りなく237Wに近いパーツ構成の場合は考えたほうが良いかもしれませんが。

※市販品は5VSBが2.0Aと少ないものがありますが、電源を落とさない人や、バスパワーのUSB機器が多くないかぎり大丈夫でしょう。

●合わない電源〜形状の問題

電源の形状も問題があります。まぁ1万円以上する電源は適合しないものはあまりありませんが、4桁中盤ぐらいの値段のものに多いのが、側面にファンがある/側面のみにファンがある、と言うタイプです(fig3参照)。玄人指向や鎌力に多いのですが、このタイプは搭載できません。

(fig3)
(fig4)
↑UPが内装時に上に来ます。
このように側面にファンが付いているのは好ましく無いです。
この電源は自作1号機に積んであったATX用電源です。
↑無改造でファンコン搭載はまず無理です。

正確に言うと搭載は出来ます、この側面のファンは、G4に内蔵したとき開口しない側に来るので、冷却効率が悪くなる可能性があります。よって、側面でなく電源コネクタ側のファンと平行な位置にある面に、フィンかファンがついているタイプを選ぶ必要があります。
また、マザーに接続する電源ケーブルの位置も重要です。この電源や、G4に元から搭載されている電源は、上の写真(fig3)の赤い矢印の所からコネクタ類が出ていますが、ATXの電源の中には青の矢印からケーブルが出ているものがあります(と言うか、そっちの方が多いと思いますが)
青でも赤でも搭載は可能ですが、青い方から出ていると取り回しが面倒です。また、青い方だと、標準の状態では高い可能性で20pinケーブルの長さが足りなくなります(延長コード買ってくればいい話ですが、長くなるとそれはそれで面倒です)

あと、(fig4)を見てもらえばわかりますが、無改造で切り替え式のファンコンを搭載する余裕はほとんどありません。自動式ならともかくも、後側にロータリースイッチが出ているようなタイプはやめましょう。

サービスコンセント(fig4の右側の黒い電源コネクタ)はG4の場合、どうせ非連動ですし不要です。と、言うかサービスコンセント付きは、そんなに売ってるものではないのでいらないものと割り切りましょう。

●大きさの問題

もちろん上で書いた問題は買ってから気付いた問題です。
しかしそれより問題なのは大きさの問題です。

これ(fig5)が秋葉で買ってきた電源です。今までの自作機はすべて電源付きケースを買っているので、マトモに電源を買ったのは(ジャンクを除けば)今回が初めてです。排気ファンが(fig5)のようにストレートに並んでいるのものを探すのは大変でした。

(fig5)
(fig6)
↑ANTEC製の400Wです。
↑すでに18番ピンがありません。灰色が8番
出力電圧(上段がG4、下段がコレ)
参考サイト
+12V
+5V
+3.3A
-12V
-5V
+5Vsb
MYSTIC ROOM
ATX電源への換装による電源強化(直リンク)
Apple Support Doc
ATXの電源の流用
8A
20A
24A
0.25A
2.25A
14+15A
28A
30A
0.3A
2.0A
12Vは2系統あるらしいですが一つでも充分です。

出力もバッチリ、しかも、抜く必要のある18番ピンが元からありません。
※G4とATXの電源は8番ピンも役割が違う(G4は8番が+3.3V・ATXはPWR_OK)ので1番か2番(か11番)から8番に3.3Vを持ってくる必要があります。詳しくは参考サイト(特に「ATXの電源の流用」)を見てください。
※同じG4でもADC搭載機など、Sawtooth以外のマシンはピンアサインが違う可能性があります。また、SawtoothはYosemiteの電源コネクタと形状は同じですが8番のピンアサインが微妙異なります。

パーフェクトと思っていたらケーブルが(fig3)青い矢印の方にあります。
しかもそれだけはありません。配線してやけにDVDとZIPのセットが戻しにくいなぁと思ったら、買ってきたドライブの方が寸法が少し大きいです。

(fig7)
(fig8)
↑元の電源
↑買ってきたもの。緑のが同じ位置

しかも、写真では分かりにくいですが、この電源はケーブルが(fig3)青い矢印の方にあるので吸気ファンの前がごちゃごちゃです。
これじゃあ排気できませんし、出来たところで、ケーブルが入り組んだところがホコリまみれになるのは時間の問題です。
しかし、ここの写真で出している粗悪電源を使いたくはないので、

「仕方ない、修理するか!」

と言うことになります。