GigaEnergyとGBA+ミニライト

0、Introduction

 任天堂のゲームボーイアドバンス(以下GBA)のうち、特に初期の液晶はこれでもかと言うぐらい暗くて見にくい液晶です。最近のAGB-JPN-1とかAGB-JPNc/jと言った型番はかなり改善されているようですが、初期のAGB-JPNは照明の下でも見にくいのです。
 まあ暗くて見にくいだけならともかくも、それでゲームに支障をきたしていては意味が無いので秋葉原でGametech製の冷陰極管(ミニ蛍光灯と言う奴です。ノートのバックライト等に使われているのもこれです)を使用したフロントライトを買って来ました。
 さすが蛍光灯だけあって明るさも抜群ですが消費電力も抜群です。本来、アルカリ電池であれば15時間持つはずですが蛍光灯を繋いでプレイすると1時間ちょっとしか持ちません。2002年11月号の雑感にも書きましたように、一応アルカリ電池用の充電器も持っているのですが8時間充電して1時間でお亡くなりでは不経済的なので、明るいのはいいのですがどうも使うのがすすまないモノなのです。
 まあ前置きが長くなりましたがGBAの蛍光灯にはこのような背景があったのです。

1、電気屋で...

 電器屋でレジに向かう途中、電池の予備が無い事に気がつきました。MP3プレーヤの電池を切らしていたので、このままではまた音のない生活になってしまうと思って電池のコーナへ向かいました。
 「やす〜い電池は無いかな!?」と思って探していると一種類だけ異様なオーラを出している電池があるではありませんか。そうです。東芝製のGigaEnergyです。何やら高容量そうな香りがしているのでMP3プレーヤの電池のことなどすっかり忘れて、これだけ買って来てしまいました。

2、家で開けてみて

 衝動買いしてしまったGigaEnergyですが家に帰って良く見てみると『デジタルカメラ用』と見なれない文字列があります。まあ衝動買いしているんですから見なれないのは当然であります。それはいいとして、良く読んでみると『高出力特性』とあります。また、それ以外ではアルカリ電池と変わらないなどとあります。
 早速ページのネタにしてやろうと思うわけですがデジカメなんて持っていませんし、さすがに20時間以上持つMP3プレーヤに『高出力特性』があるとは思えませんし、普通の電池よりも遥かに高いのでMP3プレーヤごときに使うのは勿体無さ過ぎます。そこで『高出力なデバイス』として発見されたのは
1、懐中電灯
たしかに高出力ですがつけっぱなしにして電池が切れるのを見るのは寂しすぎます。
2、ラジカセ
確かに600mAの充電池で1時間しか持たないシロモノですがラジオを延々とどうかと思いますし、いつ消えたか忘れてしまっては実験になりません。
3、ランタン型蛍光灯
たしかに電気食いですね。単一型の変換プラグをかませば動くでしょうがやはり程度的には懐中電灯と一緒です。
と探していたら、視野の端にもはやマリオカート専用機となっているGBAが発見されました。しかも蛍光灯がついています。もうこれはピンと来るしか無いですね。早速蛍光灯をつけて実験します。

3、実験

 早速この高出力特性を実験してみようと同じ東芝の電池を買ってきます。なんとも無駄な出費ですが興味津々のためあまり気にしていません。
 さて、実験方法ですが実験は、マリオカートアドバンスで内蔵スピーカの音量最大、蛍光灯連続オン「フリーラン150cc、スペシャルカップのクッパキャッスル4」を電池が切れるまでリトライひたすら走り続ける方法で行いました。フリーランは動くスプライトが多く、CPUにより負担がかかると思うので実験には理想的だからです。尚、セーブは行っていません。
 部屋の温度は22度前後で、時間の計測には68Kの時代から使ってきた由緒正しいクロックソフトである「Ajust Now1.6 PPC」を使いました。

 実験の結果ですが、東芝製アルカリ電池は起動後1時間47分10秒でランプが赤に変わりました。わりと根性無しやなぁ、と思ったら赤ランプが消えたのが3時間58分18秒で、ランプが切り替わってから実に2時間11分持ったわけです。恐るべきスタミナですね。まあ2時間過ぎた当たりから疲れてきてリトライの間隔が少し伸びたりしたのもあるのかも知れません。電源は4時間01分で落ちました。まあ蛍光灯を繋いでいるので仕方ないでしょう。
 さて、次はGigaEnergyです。パッケージを開けると何やら微妙で良い香りがします。電圧を測ってみると、公称値は1.5Vですが1.7Vあります。それにしてもまたあのクソ長いコースをえんえんと走るのかと思うとそれだけで鬱になってきます。が、検証を取らねばなりません。覚悟して電源を入れます。
 結果は赤ランプに変わったのが4時間30分です。凄いスタミナですね。アルカリ電池の寿命を遥かに凌ぐ勢いです。と共に「またこれからが長いんだろうな、面倒臭せー」と思ってたらみるみるうちにランプが薄く暗くなり、4時間38分でランプが消えるのと同時に電源が落ちてしまいました。
 どうやら高い電圧を維持するのは得意なようですが落ちはじめたらダメなようです。つるべ井戸のつるべ落とし(注:秋の陽はつるべ落とし)みたいな電池です。GBAの赤ランプと緑ランプの制御はおそらく時間では無くボルト数でしょうから電圧低下が激しい電池のようです。

●表にまとめるとこんな感じです●

ランプの状態
アルカリ電池
GigaEnergy
赤ランプ

1時間47分

4時間30分
電源断(寿命)
4時間01分
4時間38分

4、結論

 赤ランプに変わるまでの時間には大きな差がありますが寿命は37分しか変わりません。GBA+蛍光灯の出力が小さすぎるのかそもそもこの程度かはわかりませんが、GBA+蛍光灯に関しては少なくとも2倍以上の金を出して買う程の価値は無いようです。素直にアルカリ電池を買った方が良さそうです。
 ちなみに、ゲームボーイ用のソフト(アドバンス専用で無い)だと出力電圧があがるのでより激しく光りますが、寿命が恐ろしい程短くなります。(2004.11.07追加)

5、GBA SP(2004.11.07追加)

 2003年のバレンタインデーにGBA SPが出たので普通のGBAはお払い箱になりました。当時張るだけバックライトと言うフロントライトが発表された直後にGBA SPの発表があってその会社が哀れな感じがしましたが、やはりGBA SPは光を気にしなくていいのでどこでもゲームが出来てとてもGOODです。
 ただGBA SPはLEDの所為か色調がおかしい気が否めません。あと普通のゲームボーイより目が疲れます。ちなみに、ゲームオタな友人曰く「GBAは太陽の下でやるように設計されている」そうです。 

 この蛍光灯ミニはLEDに比べれば色調が自然で映り込みが少なく、ゲームボーイの上方から照らすものといては最強の明るさです。部屋の非常灯に使えるぐらい明るいです。が、電池寿命も最高に短いのが難点なのかアフターバーナに比べると記事が圧倒的に少ないです。恐らく明るさと寿命が釣り合っていないのでしょうね。

6、GigaEnergyの片割れ(後日談)

この実験で使われているGigaEnergyは4本組で買ってきた物で、実験に使ったのはそのうち2本でした。そして、残った2本は使われることなく部屋の片隅で眠っていました。
この実験から3年余り経ったある日、私はデジカメを買ってきて、
「そう言えば、昔買ったGigaEnergyって言うデジカメ専用電池があったな。あれ使ってみよう。」
と思って電池を探してデジカメに入れてみました。

結果は3枚ぐらい撮ったら燃料切れで動かなくなりました。
出力こそ高い物の、やはり放置には弱いようです。

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