39号機稼働開始(34号機更改リプレース)

24、25号機に続き、34号機も更改しました。39号機となりました。

34号機は紹介のページにもありますが、先代の34号機は元々建造計画がなく、障害対応として急造したマシンです。予算も無かったので暫定構成と割り切り、ケース以外は寄せ集めのパーツで建造しました。暫定と言う割にはどこぞの某元暫定CEO(故人)の如く3年以上運用していましたが、建造当初から更改なりリプレースなりの時期だけは決めていたマシンです。

39号機は37、38号機の異母兄弟機みたいな構成で、ケースとSSDは異なりますが、マザーボード、メモリは同一という構成です。

ケース・電源

ケースはSilverstoneのSST-SG13Bです。

先代の34号機のLian-Li PC-Q21のフォルムは結構気に入っていたのですが、PC-Q21は耐タンパ性がゼロなのが課題でした。色々考えましたが、買い換えたほうが安いのでSST-SG13Bにしました。

SST-SG13Bが高耐タンパかと言うと微妙ですが、ロックされたSST-SG13Bは、ノーガードに近くてツールレスでSSDを持っていけるPC-Q21に比べれば面倒です。

曲がりなりにもケースをロック出来て、PCI/PCIeカードが付けられる小型ケースは少なく、(19号機で採用している)SST-SG05BとSST-SG13Bとその後継機しかありませんでした。19号機と全く同じケースを約15年も経ってまた買うのも芸がありませんし、SST-SG16などは交流電源専用みたいな構成で、ACアダプタ運用がしにくいと感じたので、SST-SG13Bとなりました。

SST-SG13BはATX電源ですが、搭載しているN100DC-ITXはACアダプタ直結なのでそのままだと電源部が開口します。それはまずいのでM8のDCジャックが入るホールが付いた、アルミ製のグリルパネルを入れてあります。この手のDCジャックを取り付けできるパネルは、昔ならOliospecで買えたのですが、今はOliospecでは売ってないので海外から通販で買いました。

電源は37・38号機と同じGST90A19-P1Mです。

先代の34号機は秋月で売ってたGo Forward (GF)社製のGF65I-US1934という19V 3.4Aの65W電源を使っていました。秋月のGF社製の電源はまぁまぁ静かで可もなく不可もなくという感じですが、秋月のDC電源のバレルプラグは殆どが2.1/5.5mmなのでそのままでは2.5mm/5.5mmのバレルジャックでは挿さりません。なので変換アダプタを咬ませていましたが、この変換アダプタが地味に鬱陶しいので37号機や38号機と構成を合わせる形にしました。

ケースは異なりますが37号機、38号機同様ゼロスピンドルのファンレス機です。

マザーボード・メモリ

マザーボードとメモリは37、38号機と全く同じです。N100DC-ITXにCFD Crucialの32GBが入ってます。32GBは用途的には過剰ですが、メモリとしては予算内だったで37号機や38号機と合わせてあります。

CFD Crucialの32GBは37号機や38号機と同じもので、2枚セットの片割れを使っているのも同じです。39号機のもう片割れは予備のマザーボードに実装しています。

SSD

SSDはTeam CX2 256GBの1台構成です。

39号機はデータ(所謂ユーザデータ)をほとんど持っていません。そのため耐久性はあまり考慮せず安価なSSDを採用しています。37号機や38号機はシステム用とデータ用(/home用)の2台のSSDを積んでますが、39号機はシステム用とデータ用のSSDを分けていないので1台構成です。

39号機は元を辿るとCentOS5で運用していた14号機から派生したマシンで、その派生機・後継機である29-30-34号機ではCentOS7が入ってました。そのためその後継の39号機でもRed Hat Enterprise Linux(RHEL)系統のOSであるRocky Linuxを入れています。

RHEL系はOSのメジャーアップグレードが難しく、メジャーアップグレードは事実上SSDを入れ替えて新規インストールでしか対応できません。そのため交換を見据えてSSDは安いものにしました。また、39号機はVPNルータ専用機で他の用途を兼任させるつもりが無いので250GBもあれば必要十分です。先代の34号機も2020年新造ですが、SSDは当時にしてすでに8年落ちの2012年製のIntel 320 シリーズのSSD入れてましたしね。どうでもいいですが、このIntel 320シリーズは160GB、300GB、600GBという今にしてみれば結構珍しいラインナップです(参考リンク)。

OS

OSは前述の通り、Rocky Linux 9.4です。最近はRHELでも個人用途なら16本ぐらいならタダで使用可能です。そのためRHELも少し考えましたが、ライセンス管理が面倒なのでやめました。まぁ正確に言うと管理が面倒というより、管理するものをあまり増やしたく無いのでフリーのRocky Linuxにしました。Alma Linuxと悩みましたが、Alma Linuxは実家の28号機に入れることにしました。

このマシンはOpenVPNとNTPしか動かさないので最小インストールにして、EPELリポジトリからdnfでOpenVPNを入れました。

RHEL8系は知りませんが、RHEL9系のEPELのOpenVPNの設定は/etc配下がserver(/etc/openvpn/server)とclient(/etc/openvpn/client)に分かれています。systemctlで呼ばれるUnit名で、設定ファイルを探すディレクトリが変わります。

openvpn-server@hogehoge.serviceでサービス起動すると、/server(/etc/openvpn/server)の設定ファイル(ここではhogehoge.conf)が読まれ、openvpn-server@hugafuga.clientでサービス起動すると、client(/etc/openvpn/client)側の設定ファイル(ここではfugafuga.conf)が読まれます。

例えば、systemctl openvpn.server@y17でOpenVPNを起動すると、/etc/openvpn/server/y17.confを探しに行くようになってます。同様にsystemctl openvpn-client@y17でOpenVPNを起動すると、/etc/openvpn/client/y17.confを探します。

まぁ、openvpn-server@.serviceで起動しても、openvpn-client@.serviceで起動してても、どちらもUnitファイル内のExecStartでは(引数は若干違うものの)同じ /usr/sbin/openvpn が呼ばれています。なので、実際のOpenVPNの動作(クライアント動作かサーバ動作か)に関わらずをどっちにどっちを入れても動くは動きます。実際、39号機は28号機に繋ぎにいくクライアントモード(tcp-client)で動作していますが、設定ファイルは/etc/openvpn/server/に放り込んであります。

と、言うか、サーバとして動作する設定を/etc/openvpn/server/に入れてopenvpn-serverで起動したからといって、firewallやsemanageをいい感じにやってくれたりすることは一切ありません。なので、個人用なら好きな方に入れてくださいって感じがします。

ちなみに、Alma Linux 9.4のEPELでも同じように分かれています。

NIC

このマシンはPCIeスロットにNICを増設しています。増設NICを刺すために37号機や38号機とは異なったケースを採用しています。

NICはtp-linkのREALTEKチップのやつです。所謂蟹チップです。ギガ蟹です。このNICでNTTのNGN(IPoE)のIPv6網に接続して、実家とLayer 3 VPNを組んでいます。

ギガ蟹使ってるのは消費電力・発熱の問題もありますが、正直蟹でも十分なので蟹にしています。まぁ、蟹がいいと言うより、(私の場合は)Intelに値段なりの価値を見出せなかったというのが正しいです。Intelは良いかもしれませんが、(自宅のブロバン環境がクソなのもあって)私はRealtekで特に困っていません。

蟹NICは上級者には割と不評なんですが、最近のギガ蟹なら殊更に不安定や遅いとかはまずありません。ただ、Realtekのドライバはハズレも有り、ハズレ具合によっては速度以前に動作が不安定だったりします。今時のRealtekのドライバはOSで標準で添付されてたりしますが、特にFreeBSD添付のものはクソでしたね。

あと、RTL8111系やRTL8168系のチップはRHEL7系とかだと何故かRTL8169系のドライバが入ることがあります(参考リンク)。何故かRTL8169系でも8111や8168がそれっぽく動くんですが気持ち悪いです。またドライバが良くても各種オフロード系(gsoやgro等)を正しいチューニングしないとまともに速度出ないことがあります。難しいと言えば難しいチップです。

この辺を勘案すると、上級者に不評な蟹NICですが、運用は自体は上級者向けですね。値段は素人さん向けなんですが、素人さんはポン付けでもまぁまぁ動くIntel製を買われた方が(個人的には)無難だと思います。まぁそういってもIntel製のNICは量販店とかになかなか売ってないんですけどね。

ちなみに、M.2 E Key (iCNV Wi-Fi用のM.2はEキー)から有線Ethernetを生やす怪しいNICを買ったのですが、MACからして怪しかったので使うのをやめました。

チューニング

37号機や38号機同様、電力設定はチューニングしています。チューニングは37号機と同じでPL1=10W, PL2=25W Autoから、PL1=6W, PL2=10W 10sにしています。この状態で44℃前後です。

39号機はファンレスですがケースがスカスカでガバガバなためデフォルトでも実は大きな問題はありません。デフォルトでも温度的には全然問題ないのですが、N100DC-ITXはコイル鳴きが結構喧しく、スカスカガバガバなケースではコイル鳴きの音が結構よく通ります。

コイル鳴きは電流変動が小さい方が音を小さくできるので、発熱よりもコイル鳴き対策で電力設定をチューニングしています。性能的にはもっと制限を厳しくしても大丈夫なんですが、設定値を管理(記憶)したくなので37号機や38号機と同じ設定を入れています。

そのため、ケースは触っても動いていることがわからないぐらいの温度になっています。

建造所感

39号機はOpenVPNを積んだルータ相当のサーバですが、正直OpenVPNを動かすだけなら今や独立したx86のPCである必要を感じないのも事実です。OpenWrtを積んだBBルータやNanoPiなどのSmall Board Computer(SBC)などでも充足出来ると思ってます。

ユニットコスト面でもx86で新造すると200USD前後(30k円)かかるのに対してSBCなら大体170USDぐらいでなので、x86で作るメリットってなんだろうと思わなくはありません。まぁ、もう組んでしまいましたけど。

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