37号機稼働開始(24号機更改リプレース)

先日、24号機(Shuttle XS35V3L)の後継として、37号機の稼働を開始し、24号機の運用を停止しました。24号機は購入後10年、2016年から7年以上運用していましたが、その歴史にピリオドを打ちました。

主要な構成

37号機の主要構成はこちらです。

SilverStone SST-ML10のケースにASRock N100DC-ITXを組み込んだものです。メモリはCFD Crucial DDR4-3200 32GBx1です。N100DC-ITXはSO-DIMM対応ではないので、普通のDDR4メモリです。これにMeanwell社のGST90A19-P1MというACアダプタを繋いでいるのが主要部分となります。

この主要な構成は25号機の後継となる38号機(予定)も全く同じですし、34号機の後継となる39号機(予定)もケース・SSD以外は同じです。

置き換え元の24号機(と25号機と34号機)はすべてゼロスピンドル機です。ゼロスピンドルによる高い静粛性、機器清掃作業の排除(メンテナンスフリー化)、地震等による転倒・落下に対する耐衝撃性の向上を志向したマシンです。

37号機もこの志向を引き継ぎいでゼロスピンドル機としました。Twitterでは120mmファンを搭載しようかと呟いてましたが、メンテナンスフリー化はやはり捨てがたいでゼロスピンドルで組みました。

ケース・電源

ケースは前述の通りSilverstone SST-ML10です。近年のITXケースは、拡張スロット(PCI/PCIe)使用が前提となっています。そのため、ミニタワーみたいな近いケースか、ShuttleやSST-SGシリーズのようなキューブ型、小型化を追求したものであればThin-ITXかDeskminiのようなMini-STXだったりが主流になっています。そのためSilverstone SST-ML10のようなMini-ITXで、かつMorexの血を引く基盤型電源を使用可能なケースは、現代においては希少です。

ファンは50mm x3と、120mm or 140mm x1のファンを設置できますが、前述のようにゼロスピンドルにしたかったため結局は設置しませんでした。そもそもゼロスピンドルでなくても50mmは入手性の問題、120mmはSSDを積むとクリアランスの問題が厳しいので搭載は難しかったです。

電源は実家で稼働実績にあったMeanwell社のGST90A19-P1Mです。Digikeyで買いました。実家で動いているものは1USD≒100JPY前後の時代だったので3,500円程度で買えましたが、昨今の円安で5,500円しました。

この電源、一般的なACアダプタと比較すると安くはないです。しかし、50℃以上の雰囲気でも稼働できて、PSEが付いてて、稼働温度範囲が広く、最高雰囲気温度下(70℃)でも60W出力を担保できる電源がそれなりの値段で1個から買える。ということを考えれば十分に安いとも言えるな選択です。ちなみにMeanwellは台湾の企業ですが、電源本体は中国製です。

マザーボード/メモリ

マザボはN100DC-ITXで、SATAが2ポートあるモデルにしました。m.2のNVMeにしたい気持ちはあるのですが、障害時にデータを抜くのはSATAの方が楽なので今回もSATAです。

N100DC-ITXがJ5040などの従来のASRock製のSoC ITXマザーと大きく異なるのは電源・CPUと、メモリがSO-DIMMでないこと、メモリスロットが1つしかないこと、SATAが2ポートしかない(ASmediaのSATAコントローラがないこと)があげられます。

あと、実用上は問題ないのですが、N100DC-ITXはBoot Beep(起動時のピッの音)音がやたらと汚いです。また、SATA電源はマザボから供給されるのですが、この供給される電圧は12Vと5Vレールのみで3.3Vレールはありません。まぁ、今時SATA3.3V使うストレージはレアですが、ストレージ以外の電源として使う場合は注意が必要です。

このマザボはデスクトップ用のDDR4-DIMMを1枚だけしか搭載出来ません。そのためCFD CrucialのDDR4-2400の32GB/枚のモジュールを買ってきて積みました。N100はIntel ArkではMax 16GBと書かれてますが、ASrock N100DC-ITXの仕様上は32GBと書かれていますし、書いてある通り、32GBモジュールを認識します。

ただ、N100DC-ITXのメモリスロットは1つしかないので(※)、メモリーインターリーブアクセスの機構(≒デュアルチャンネル)は物理的にありません。従って、メモリ不足でないなら無駄に増やしてもパフォーマンス向上は見込めません。私はDDR4はオワコン寸前で、今後は今ほどは安く買えなくなると思ったのでほぼ使わないであろう32GBにしました。私はメモリ積みたがり星人なので大量に詰んでますが、過剰かと言えば一般的には過剰だと思います。

※メモリスロットが1つ: そもそもN100自体のメモリチャネルが1chしかありません。

メモリはマシン4台分を安価に調達するため、CFD Crucialの2枚セット品を買ってそのうちの片割れを使っています。

CFD Crucialは安価ですが、ロウハンマー耐性はちゃんとありました。

SSD

SSDは先代の24号機からそのまま載せ替えました。先代の24号機の導入当初はCentOS6を入れて使っていました。このCentOS6が2020年11月にEoSLを迎えた際、24号機の更改機を新造した暁には新造機ににそのまま載せ替える前提で、24号機のSSDは新しいSSDに交換して、OSをUbuntu LTSに切り替えました。こう言った経緯があったので(だいぶ期間は空きましたが)SSDは載せ替えとしました。

まぁ、これはCentOS6からCentOS7への所謂上書きインストールが結構手間で難しい上に、頑張っても約3年半でCentOS7のEoSLが来るからと言うのもあるんですが、CFDのHG5dというTBW不明のSSDで(すでにGPT+UEFIの時代に)GPT+MBR+BIOSブートしてたのも大きい理由です。

SSD載せ替え後はNICの名前がenpからensに変わりましたが、/etc/netplanの設定ファイルのインターフェース名の名前の一部をenpからensに変えたらIPをそのまま引き継いで普通に動作しました。ついでに、netplanのgatewayキーワードは2020年時点は問題ありませんでしたが、2023年ではdepricateらしいので、routeに直しておきました。

チューニング

電力設定はチューニングしていて、PL1=10W, PL2=25W Autoから、PL1=6W, PL2=10W 10sにしています。デフォルトでもシャットダウンするとかはありませんが、更改前でも性能不足はなく、そんなに熱くしても寿命に響くだけなので下げてあります。

この設定でUbuntu 22.04 LTSで常温下で概ね50〜55℃程度を推移しています。

37号機はハズレのマザーボードを引いていなければそれなりの寿命が期待できると踏んでいます。

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